都市河川学会

都市の河川を中心に、川を考える。川を愛でる。川を遊ぶ。

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『風立ちぬ』(二回目)を見てきました

思うところがあって、二回目の『風立ちぬ』観賞に行ってきました。宮崎作品で封切り時に二回見たのって、もしかしたら始めてかも。

今思うと初見の時は、正直言って「いつもの宮崎作品」と思って見に行って、いろいろ面食らってしまったように思います。見る体制が出来ていなかったので、いろいろ見落としてしまっていたようです。反省。

(ネタバレはほとんどない、はずですが、一応未見の方はご注意を)










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初見の時から気になっていたことは、川(というか水)のシーンが多いな、ということでした。まあこんな名前のブログをやっているくらいですから(笑)、普通の人よりは川のシーンが気になるのかなあ自分は、とも思ったんで気のせいかもしれないなと思っていました。タイトルにもあるように「風」というモチーフはすぐに思い当たったんですが、「水」も気になるなあと。


二回目をじっくり見た感じでも、やはり水が印象的なシーンが明らかに多い気がしました。
妄想の中の飛行機は眼下に水面を見下ろし、列車は川にかかる鉄橋を越え、水をたたえた水田の風景が窓外に流れる。
妹を送る時も一銭蒸気。時折、印象的に降る雨。
涙、そして吐血。


恐らく、水は風と対になっているモチーフです。
重力から解き放たれて空を舞う飛行機のように自由に駆け巡る若さや、クリエイターの傲慢さの象徴が風(タバコの煙も)であるなら、重力に従って高いところから低いところへと流れ落ちる(しかない)水は、運命に逆らうことのできない人生、受け入れるしかない宿命の象徴のように感じました。


特に印象的だったシーンが2つあります。

一つは、泉の前で二郎と菜穂子が出会うシーン。二郎は菜穂子を探して(なぜか)美しい小川のせせらぎをたどって行くと、水源とおぼしき泉の前に菜穂子が待っていて、愛の告白をします。泉は「水」の中で唯一、重力に逆らって地面から湧き上がります。この先に訪れるであろう運命の残酷さを予感しながら、それでも止めることのできない二人の気持ちのように、こんこんと湧き出る泉に向かって、菜穂子はここに二郎が現れることを祈っていました。
あのシーンでも、なぜ菜穂子がいないのか、なぜ二郎が菜穂子を追うのか、なぜ小川をたどって行くのか、何も語られることなくシーンは進行します。もしかしたら、あのシーンも二郎の妄想だったのでしょうか。


もう一つは、急に降り出したにわか雨を通り過ぎるシーン。ずぶぬれになりながら二郎と菜穂子が歩いて行くと、雨の境目に出て周囲は一気に晴れ渡ります。二郎が振り返ると、そこには美しい虹が出ています。虹は、雨(水)と太陽(風)が同時に存在することで発生する自然現象です。そして、虹は物質としては存在しない、幻でもあります。どんなに美しくても、手に取ることはできず、すぐに消えてしまう。水と風が出逢って、一瞬の美しさを見せて消えて行く……この悲しい恋の行く末を象徴しているかのようです。


『風立ちぬ』における水のモチーフについては、いずれゆっくり絞殺死体…もとい、考察したいとも思っています。とりあえず、絵コンテ集でも買おうかと。実は私、映画のシーンとか細かく覚えてられないんですよね……。
(前述のシーンもうろ覚えなので、間違っていたらすみません)
学生時代の二郎の下宿が「小川荘」だったのだけは確認しましたw。




ちなみに私は、『風立ちぬ』大好き派です。
今までの宮崎作品でも一番かもしれないなー、と二回目を見て改めて思いました。

まあ、たまにはこんな記事も書きますよ、ということで。

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  1. 2013/08/24(土) 19:35:50|
  2. いろいろ
  3. | コメント:0

「天使のたまご絵コンテ集」

最近のお仕事の告知でございます。
押井守監督の1983年の作品『天使のたまご』のブルーレイが発売になるのに合わせて
絵コンテが復刊ドットコムから再販されることになりました。



この本は1983年に出版されたもので(2004年に一度再販されています)、私の手元にある初版のものはもうかなり日焼けや変色が進行しているので、復刊はかなりうれしいですね。
初版の巻末に載っている、宮崎駿の文章などもそのまま再録されています。
そして、2013年版として、あらたに押井監督のインタビューが4ページ掲載されており、そちらの取材と構成を野田が担当しました。押井監督は「もうずいぶん長いこと通しで見てないなあ」ということでしたが、当時の話はすごくよく覚えていて、いろんな話をうかがうことができ、かなり充実したインタビューとなっています。
ぜひお買い求めください。

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そしてこの話題とは直接関係ないんですが、先日「天空の城ラピュタ」が放送された時のツイートで、「風の谷のナウシカGUIDE BOOK」「天空の城ラピュタGUIDE BOOK」が徳間書店から復刻されていることを知りました。

「ナウシカ」の方には、押井監督が宮崎監督について語った文章が、「ラピュタ」の方には押井監督と宮崎監督の対談原稿が3本と、押井監督の文章が2本(一つは「ナウシカ」に載ったのと同じ文章、もう一つは「風の谷のナウシカ 絵コンテ」に掲載された「前略、宮崎駿様--〈漫画映画〉について」)掲載されており、押井研究家としては非常に価値の高い本ですので、未読の方はぜひご一読を(そういう意味では「ラピュタ」の方だけ買えば事足りますが)。
  1. 2013/08/23(金) 02:48:17|
  2. 告知
  3. | コメント:0

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